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 2010年5月4日更新  いい音楽を聴きたい―1

CDの雲にのって空高く―1


『宝の山を見つけた!』


 デジタルという概念は、CD(コンパクト・ディスク)の出現によって初めて一般に理解されたといえる。「0と1だけからなる2進法による数値化」を利用した技術は、パソコンより先にCDによって普及した。デジタル技術が何をしてくれるのか、感性を通して我々に示してくれたのだ。
 感性は我がままだ。CDを再生してその平板な音に接すると、デジタル化の過程で何かが欠落してしまったかのように感じる。もっと凄い演奏だったに違いないと誰しもが思う。でも本当は、CDの中には計り知れない豊かな音の世界が広がっているのだ。それが再現されない理由はデジタル技術にではなく、1枚1枚のディスクそのものにある。個々のディスクには見えない汚れや静電気、磁気など、様々な付着物が纏わり付いている。製造工程や流通過程、購入後に手にしたときなどに付いていったものだ。これらは読み取りエラーを起こすまでにはならないにしても少なからぬ情報の減衰を生じさせる。音が角ばってギスギスしていたり、伸びやかさに欠け、詰まったように聴こえるのは主にそれが原因だ。
 ある日勇気を出してCDを洗ってみた。泡立てたハンドソープを指の腹で慎重に、優しく撫でる。そして極めて低温の湯でよく濯ぐ。(CDの洗浄について、ここまでは麻倉怜士著「オーディオの作法」参照)そこで一度再生してみると音に弾みがついて演奏に生起が宿ってきた。音が迫ってくる感じだ。さらにCD専用の洗浄液とクリーナー布で丁寧に磨き上げてみた。そして静電気除去機能付のカメラ用クロスでゆっくりと仕上げの拭き取りを行う。洗っただけのときより音が精緻になり演奏に艶がのってきた。洗浄によって解放された喜びから荒々しいまでに奔放に奏でられるようになった音に真剣味がのって、まさに本気の演奏となる。ノリが違う。CDの中ではこんな凄いことになってたんだ。棚にあるCDが急に宝の山になったように思えてきた。すべてを磨きたくなった。―ところが、こうしたことはまだほんの入り口に過ぎない。もっとずっと凄くなる方法がまだまだあるのだ!
―いずれまた、つづく―




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